昨年に引き続き、今年も、高齢者施設の新人職員研修を担当させていただきます。ヴァーチューズの視点とスキルを織り交ぜながら行います。
今日、その打ち合わせにて、昨年度の研修に参加された職員の方が、その後、どのように変化したかを物語るエピソードを聞かせていただきました。
Aさんは、ちょうど研修に参加する前に、ある出来事があったそうです。その直後に研修に参加し、意識に変化が生まれ、入所者の皆さんに日々寄り添って過ごされているとのこと。
彼は、ちょうど夜勤だった晩、一人の入所者を看取りました。家族に代わってその高齢のおじいちゃんの足をさすり続けていたそうです。息が遠のき、血がめぐらなくなって、チアノーゼが表れても、彼が一生懸命さすると、また血がめぐり、呼吸が戻ってくる。
そんなふうに、最期までずっとそばに寄り添いました。おじいちゃんのご家族は、ぜひもう一度、あの職員さんに会ってお礼が言いたいとおっしゃっているとのこと。
私も話をうかがいながら、深い感動を覚えました。ヴァーチューズ・プロジェクトの研修が小さなきっかけとなり、本当にうれしく、ありがたいです。
高齢者施設の現場では、認知症の方も多く、心からの寄り添いがとても大切です。認知症の方ほど、そうした寄り添いをしてくれる職員さんに心を許し、信頼しています。
また、逆に、そうした入所者の方々の穏やかな笑顔や言葉かけに職員が元気づけられることもしばしばだそうです。
介護の現場は苦労もたくさんあるけれど、こんな感動や喜びを味わえて、介護職はやめられません、とお話してくださいました。
以前ブログに、脳科学者テイラー博士が、脳梗塞で左脳の言語中枢にダメージを受け、その代わりに、右脳の感覚が研ぎ澄まされ、理屈や知性だけでは味わえない「生きている喜び」を感じることができたお話を書きました。
何か通じるものを感じます。
福祉の現場は、人と人とのかかわりあいが本当に大きな意味を持っています。
人生の中で、自分がこの仕事にどう向き合っていけるのかを感じ、考えられるよう、研修に期待をもって下さっています。
人格といのちの尊厳を基本にすえて、心に寄り添うあり方。
今年の研修では、どのような出会い、気づき、学びがあるのでしょう。
本当に楽しみです。

高須山の頂上に咲いていた、日本のたんぽぽ。
都市化の影響で生態系が変わり、平地ではめっきり見られなくなりました。